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モスコ

クスネの少女。声が小さく、緊張するとどもってしまうことがある。感情は耳に出やすく、本人が黙っていても耳の動きでなんとなく分かってしまうことも。

現在は領主アズライトが住まうハロン邸で見習いメイドとして働いており、3人の先輩メイドからは末っ子のように可愛がられている。着ているメイド服も、普通の制服を先輩たちが可愛らしくアレンジしてくれたもの。

大好きな掃き掃除の際には、自由に着脱できる自慢の尻尾を箒のように使う。この芸当は兄のモッカイトにはできない、モスコ特有のもの。

また、アズライトのもとで勉強にも励んでいる。勉強すること自体は楽しいようだが、まだ難しいことも多く、現在は特に文字を綺麗に書けるよう練習中。

お兄ちゃん モッカイト

11歳年上の兄・モッカイト。物心ついた頃からずっと一緒に暮らしてきた、モスコにとって何より大切な家族。

口が悪く、何かと「面倒くさい」と口にする兄だが、モスコ自身はそれをあまり気にしていない。からかわれればやり返し、時には尻尾を掴んだり頭突きをお見舞いすることも。

ぶっきらぼうな言葉とは裏腹に、幼い頃から自分を守り世話を焼いてくれた兄のことを、モスコは誰よりも信頼している。

モスコがハロン邸で働くことになったきっかけは、兄がヴァーダイド宅で起こした騒動。壊した物の弁償として兄が働かされそうになったところ、「掃除なら自分の方が得意だから」とモスコ自ら名乗り出た。

しかし、この一件はモッカイトがあらかじめアズライトと取り決めを交わした上で、ヴァーダイドにも協力を頼んだ芝居だった。モスコに「自分が邪魔だから兄に預けられた」と思わせず、自分には何の負い目もないまま新しい生活へ送り出すため、モッカイト自身が悪者になる形を選んだのだった。この頃のモスコはこの真相は知らなかった。

現在は別々に暮らしているものの、モスコにとって「おにいちゃん」が大好きで特別な存在であることに変わりはない。

『こころさん』

モスコの中で彼女の内側から語り掛けてきていた優しい声。その正体はゼルネアスの一部である欠片で、モスコの生命を維持する役割も担っていた。本人はその声が誰なのかを知る術はなく、幼い頃から自分に話しかけてくれる不思議な存在として認識していた。

まだ多くの言葉を知らなかった頃、自分とは違う、頭の中に響く声。「あなたはだれ?」と恐る恐る尋ねたモスコに、『それ』は自分が何者なのかは答えられないものの、「君の心臓の近くにいる」と答えた。心臓が何か分からず首を傾げるモスコへ、「胸の中心にある重要な臓器で、君達の間では確か『心』とも呼ばれていたかもしれない」と説明したことから、モスコはこの存在を『こころさん』と呼ぶようになった。

一人で過ごす事が多かった幼いモスコにとって大切な話し相手であり、『こころさん』との会話を通して自然と言葉を覚えていった。その存在については兄にも秘密にしている。

しかし現在、『こころさん』の声は聞こえない。モスコが問いかけても返事はなく、なぜ話してくれなくなったのかも分からないまま。